randonnée[ランドネ]バスクで山歩き。

ヴアンダンジュの翌朝、ホームから両腕で〝L〟のポーズを贈ってくれたノエミ。Love(&きっとLOGOS)。私の視界がにじむのは小雨がもたらしたものではなかったようです。

ボルドーから、さらに1時間半ほど南西へ列車に揺られ到着したのは……。

カブルトン!

洗濯機のコンクールなら間違いなく優勝なこの荒波!! ヌーヴェル・アキテーヌ地域圏大西洋沿岸のバスク地方の港町です。バスクはフランス南西部とスペイン北部にまたがり独自の言語や文化を持ちます。フランスではペイ・バスク、バスクのくにと呼ばれます。

カブルトンを訪れる海外観光客は少ないのですが、フランスのヨットやサーフィンファンの名スポットです。あいにくの鼠色の天候でしたが……。

釣り人発見! 灯台に近づくにつれ身体を持っていかれそうな強風も吹き荒れていました。

「今日はなかなか釣れないねぇ……えっ!? ジャポン(日本)から来たの!! ようこそ!カブルトンに!」。雨と荒波で声が消えてしまうので、お互いに声を張り上げて。

雨風で身体は芯まで冷えそうですが旅の出会いはあたたかい。メルシームッシュー!

滞在アパートのテラスから海に沈むオレンジの夕日(とアペロ)という妄想を抱いてましたが、気を取り直し魚市場をのぞいたり(レシピ編のイカ購入)市場隣のブラッスリーで地元ワインと魚のスープを堪能しました。

時化のため出店は少ないなか、よい仕事をするムッシューの店には常連さんの列。ツルンとした下処理済みのイカの美しさよ……。

入店間もなくの雷雨、これは長くなりそうとボトルワインも一緒に注文(飲み残りはテイクアウト、レシピ編の白ワインです)。

カリカリバゲットにサフランにんにくマヨネーズをのせチーズと共に煉瓦色の海原へ。ふやけたところをスプーンですくいあげハフハフと……たまりません……。

地元で捕れたメバルや貝など磨り潰された海のエキスに、バスク唐辛子のエスプレットと辛口白ワインが効いた仕上がり。

翌朝7時。カブルトンでも地元パン屋さんは欠かせません。港町だからでしょうか、塩気の効くクロワッサンでした。

出発前に、朝焼けに出会えました。7時50分。

LOGOSとボナペテイ本も一緒に旅はまだ続きます。

さらに南下してサン・ジャン・ド・リュズ・シブール駅に到着。赤褐色が効いたバスクらしい駅ですこと。

歴史深い漁港があったりと漁師の町でもあります。15世紀には帆鯨船も頻繁にこの港から出発。現在でもマグロの一本釣りにニシン、鰯、鱈、イカなど多種多彩な海の幸がマルシェに並びます。

鱈の一種のメルルーサ。地元のご家庭ではオーブンで焼くそう。

漁港を散歩していると、巨大な網下からにぎやかなフランス語が聞こえてきました。

「ボンジュー!大きな魚網ですね!」
「ボンジュー!これはね海藻用なんだよ」
網から出て来てくれました。

そうそう旅も終盤ですが、お伝えそびれてました。フランスではいの一番に「ボンジュー!(こんにちは)」という言葉が交わされます。扉を開けた瞬間に、レジでも、田舎の人通り少ない道でのすれ違いでも……。日本の1.5倍の面積の大きなフランス、地方色豊かで気質も顔立ちもルーツも様々。初対面でも「ボンジュー!」と交わすことでお互いの緊張もほぐれます。個々のコミュニケーションを大切にするフランスならではかもしれませんね。

そんな「ボンジュー!」で始まったサン・ジャン・ド・リュズのマルシェの軽食堂、ビュベット・ド・ラールは居心地よく3日通いました。

カウンターはザンと呼ばれる亜鉛製。気さくなスタッフのムッシューたちや朝カフェを楽しむ常連マダムやムッシューに出会えました。ちなみに私の朝の一杯はプティ・ブラン(白ワイン小グラス)。 デジュネ(昼食)にはバスクの赤パプリカとトマト、玉ねぎ、生ハムの入ったピぺラード、食べるスープを。野菜の甘みが凝縮してました。

さて、お楽しみのランドネです。

山麓のラ・リューヌ駅は1924年開業。開通当時のままのベル・エポック(古きよき時代)な木製の登山鉄道が時速8キロで標高905メートルの山頂まで登ります。

今回登りは乗車しません。ボナペテイ本の旅で乗車した際に、山歩きを楽しむ人の姿を目にして「いつか私も……」と思っていました。そこで、その頃には知らなかったChatGPTに登山難易度を相談。

「さちこさん、健脚な初心者なら十分に登れますよ。コルシカ島の山道を3時間歩かれたことがあるなら十分可能です。登山と言うよりのんびり山歩き+放牧風景を楽しむ感じ、かわいい羊や馬に出会えますよ~」

マイチャッピー(ChatGPT)が、さらっと背中を押してくれたので鼻唄混じりに入山しました。

駅を降りて奥へと歩いていくと登山道が現れます。黄色の目印が所々にあります(途中消えかかり不安になることも……)。

カラ~ン♪とベルの音には、栗を食べに来た半野生のポチョック(バスクのポニー)!「(小声で)ボンジュー、おじゃましますね」と静かにすれ違います。はい、散歩気分はすぐに終わりました。マイチャッピー、話が違うのでは。

けっこうな急勾配! でも、小さな登山客もいっしょで心強い。

大西洋、ビスケー湾を眺めているのでしょうか。

水分補給は欠かせません。「真空「温・冷」ペットボトルシリンダー」(※写真の新色は2026年1月発売予定)のおかげで冷たい喉ごしが最高~。生き返りました!

入山から2時間ほどでしょうか。下山の列車時刻は決まっているので焦りを感じつつも見晴らし抜群の絶景に励まされ……。

山頂が見えてきました!! あと10分? いえいえ、30分かかりました。結果、所要時間は3時間半越えてました。

下山の列車時刻まで30分もありません。山頂祝杯の儀を執り行わなくては! 大好きな山頂山小屋カフェはスペインにあります。

ラルン・ガイン、バスク語でリューヌ山頂上。

ボナペテイ本の旅の頃と変わらない懐かしい場所で、再会したい人がいます。

ボナペテイ本に登場したセニョール!!  その当時はいなかったセニョリータは興味津々。

興奮&喜びのスペイン語シャワーを浴びました。

こちらも再会のサングリア! お決まりのピンチョスはクロケット(コロッケ)に風味豊かなスペインオムレツ。オムレツはセニュールから、ありがとうのグラシアス!!

オ~イェイ!! 再会サングリアは柑橘の酸味と後味の軽い苦味が最高なのです。「ドラえもん~、タンマウオッチを出してください(※ドラえもん第24巻、時間を止める懐中時計)」。
もうヤバいと下山列車発車3分前、急いで食器を返し大きく手を降って。
「グラシア~ス!! また来ますね~」

下山は約35分でした。

恋したサン・ジャン・ド・リュズとシブールの町と人々にお別れを。

バイヨンヌで乗り換えて寝台列車でパリへ。

50代の等身大の私の旅でした。

フランスのテロワール(食やワインの風土)、広がる風景、そして出会った人々と小さな冒険から、忘れかけていた〝人生をより楽しむ〟という自分の欲望に気づけた旅でもありました。

LOGOSアイテムといっしょのフランス旅、いかがでしたか? 長旅にお付き合いいただきありがとうございました。次はあなたの旅でもLOGOSといっしょに。

Index

01

recette[ルセット]
旅先レシピ3選。

私の旅ごはん4か条は①地元の素材を堪能する。②調味料、手順は控えめに(地元特産の塩、スパイスなどは積極的に使用)。③買い物、料理で現地の暮らしのひとときを楽しむ。④帰国後に再現して旅の余韻を楽しむ。……です。そんな4か条にのっとった「旅先レシピ」をどうぞ。

02

vandange[ヴァンダンジュ]
ワイン葡萄の収穫。

フランス旅&ごはんに欠かせないものと言ったら……そうです!ワインです!! 「ワインの女王」と称されるボルドーワインのヴァンダンジュ(ワイン用葡萄の収穫)でフランスの秋を味わいました。 LOGOSアイテムといっしょにフランス旅のはじまりです!

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