02柴田社長 Special Interview

——今回の展示会場で最初に気になったのが「やさしいLOGOS」というキーワードでした。マスコミ関係者やバイヤー向けの招待状にも書かれていた展示会のテーマであり、2023年度のLOGOSの指針とも感じた言葉です。

柴田社長:はじまりは、社内向けのメッセージでした。LOGOSでは、この展示会の前に、ほぼ全社員に向けての新製品説明会があるんです。展示会で発表する新製品に関して、開発担当者自らがコンセプトや機能性などを説明して、営業部などの各部署のスタッフが自由に質問をする大切な時間なんですけど、そんな新製品説明会で社長として全社員に伝えたかった言葉が「やさしいLOGOS」でした。

大別して3点のポイントがあったのですが、まず第1にスペック(※製品の重量やサイズを数値で表記する文字データ)の見直し。LOGOSが大切にしているのは、家族であり、女性や子供でも使いやすいアイテム開発を目指していると。なのに、既存のスペックはわかりにくいものもあって、ユーザーにやさしくないのかもしれない。だから、ブラッシュアップする。

そして、2つめのポイントが値段。ご存じのように、いまはありとあらゆるものが値上がり基調の時代です。だからこそ、ユーザーにやさしい価格設定の新規ラインを開発したかった。最後のポイントが、マニアックさへの懐疑でした。

——では、ひとつずつ深掘りさせてください。「スペックの見直し」については、実際の展示会場で見たテントのスペック表記が一番わかりやすいかもと想像しました。簡単にいうと、テントの形状をイラスト化しそこに数値を記載、イラストを見ればひとめでサイズ感がわかるというものでした。

柴田社長:こだわったのは、ユーザー目線ということです。実は昨年から、テントのスペック改良は進めていたのですが、LOGOSにはPANEL SYSTEMという独自機能があります。テントの出入口部分にフレームをクロスさせて組み込みパネルルーフという“軒下”を作り出せるんですけど、ユーザー目線でいえば、その軒下を作った状態のサイズ感を知りたいのではと感じていたんです。閉じた状態ではなく、です。だから、フレームをクロスさせる=×で表現して、その全長と、ほかにもユーザーが知りたいであろうサイズ感……たとえば「寝室って立てるぐらいの高さはあるのかな?」なども一目でわかるようにやさしくしようと考えました。

——2つ目の「ユーザーにやさしい価格設定の新規ライン」は、「LOGOS Fesシリーズ」のことでしょうか?

柴田社長:その通りです。1956年生まれである僕の世代は、4人家族というのが一般的でした。でも、いまの時代は3人家族が増えてきている。LOGOSのテントやタープは、XL、L、Mというサイズ表記にしているのですが、4人家族向けだったらXLやLサイズがおすすめでした。でも、3人家族も増えてきているいまの時代ならば「ファミリー用テントの定義ってなんだろう?」と一度リセットして自由に考えたほうがおもしろいと思ったのが発想のきっかけです。同時に、ユーザーにやさしい価格設定という目標がありましたから、税込5万円を切るというミッションも大切な要素で。だったら、Mサイズをメインにしようとうまれたのが「LOGOS Fesシリーズ」です。

結果として、まだお子さんはいない夫婦やカップル向けの2人用テントになったのですが、フェスとの親和性が高い故のシリーズ名になっています。ナバホ柄のティピーがデビューしたのが2014年のこと。それと前後して、FUJI ROCKやJIOIN ALIVEなどに協力するなどして、LOGOSはフェスでのフィールドワークを重ねてきました。税込5万円を切るアイテムながらも、LOGOSらしい機能は搭載したつもりです。ナバホ柄のティピーから数えて10周年ともいえるタイミングでリリースする「LOGOS Fes Tepee 300 &ペンタタープ-BC」をはじめとする11種のテントとタープが、ユーザーの皆様に愛されたならうれしい限りです。

——「LOGOS Fes」のテントの詳細については「アタッシュ課」のリポートでチェックしてもらえたらと思うのですが、気になるのは「やさしいLOGOS」第3のポイントである「マニアックさへの懐疑」です。ほかの2つのポイントと異なり、やや抽象的な表現だったのが逆に印象的でした。

柴田社長:ありがたいことにアウトドアやキャンプはブームと呼ばれる時代になっています。でも、これは僕の持論なのですが“世の中のありとあらゆるもののブームはマニアが終わらせる”との思いがあって。もちろん、個人の方がマニアックにとことんアウトドアを楽しまれるのは素敵なことだと思うんです。そういう側面は絶対にあっていい。でも、アウトドアブランドであるLOGOSはマニアックになってはいけない。なぜなら、冒頭でもお話ししたように、LOGOSが大切にしているのは、家族であり、女性や子供でも使いやすいアイテム開発を目指しているからです。だからこそ、この第3のポイントは抽象的かもしれないですが、とても大切な「やさしいLOGOS」の目標だと言えます。

——となると、もっと自由に“やさしい”という言葉をひろげて想像してみると、いままでもLOGOSがこだわってきた時短アイテム(女性や子供でも使いやすい→組み立て簡単→ごはんや遊ぶ時間が増える→LOGOSが考える時短!)って、ユーザーにとっては、アウトドのやさしい時間が増えるともいえそうです。

柴田社長:そうなんです。もし、ユーザーの方がそう感じてくれたら一番うれしい反応ですね。時間ができれば心に余裕ができて、会話が増える。テントを家族みんなで建てている時に、「はい、パパ」と子供がペグを父親に渡してくれるのもやさしい時間ですし、父親が息子に「ありがとう」と笑ってお礼を言えるのもやさしい時間ですから。2019年のこのインタビューでもお話しさせてもらったのですが、つまるところアウトドアの魅力って「失敗も思い出」ということ。よい思い出はもちろんですが、失敗も思い出にできるようなやさしい時間がアウトドアで流れるように、LOGOSのアイテムで少しでもお手伝いしていきたいですね。

——昨年の展示会では、高知県須崎市とのコラボレーションであるLOGOS PARKの概要が発表されました。アイテム開発以外の展開でのキーワードを教えてください。

柴田社長:LOGOS PARKというテーマパーク事業は、この4月からスタートしています。2018年にオープンした京都府城陽市とのLOGOS LANDも、BBQスタジアムがゴールデンウィークに満員御礼を記録しました。ほかにも、ありがたいことに地方行政などとのコラボレーションの話をいただいている状況です。それぞれの地域との連携も含めて、「やさしいLOGOS」というキーワードに即したテーマパークならではの展開も充分にありそうです。ここ数年、LOGOSの企業戦略イメージとして「多角経営ではなく、多重奏経営である」との言葉をお話しさせていただく機会が多いのですが、2023年度からは「やさしいLOGOS」という旋律も加わった、新たな多重奏経営を目指せたらと思っています。

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発売に先駆け、大調査!

お世話になっております。アタッシュ課です。日頃のお取引先様へLOGOSアイテムをお披露目する大切な大規模な展示会が2022年7月12〜15日に東京都内某所にて開催されました。新製品も続々登場しているという噂を聞きつけ、我々アタッシュ課は居ても立ってもいられないのです。では、心して会場内へ!

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