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home > 月刊LOGOS > vol.109 冬とたき火。
月刊LOGOS
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7度目の冬企画となる今回は、世界一の街を目指しました。1日の降雪量が世界一を記録したことがある新潟県・妙高。冬とたき火をテーマに、オリジナリティあふれるイベントやスノーシュー&雪上BBQなどを体験してきました。全国的に問題となった雪不足は世界一の街にも影響があったのですが、編集部人生初の冬の花火や、月刊LOGOSとしては恒例ともいえる人との出会いを、どうぞ!
撮影/関 暁  取材・文/唐澤和也

ダイナマイトカーニバルという名前がまず気になりますよね? たとえばですね、たき火的炎とスルメというご覧のシュールな1枚も、このイベントの名場面のひとつだったりします。看板に偽りなし。ダイナマイトでカーニバルをはじめとする妙高の1日目を紹介します。

妙高1日目の1月18日。編集部が目指したのは、こちらのお店でした。さてさて、なんのお店かといいますと……。

妙高で人気のお店「マルニジーンズ」さん。 創業は1972年。世界でも類を見ないオリジナルジーンズを手がけています。

その制作工程のひとつがこちら。通常の約7倍もの鉄分を含む冷水に漬け込むことで独自の風合いを引き出すのだとか。

雪不足のために「雪さらし」という工程は見学できませんでしたが、白雪の上に濃紺のジーンズをさらす様は美しいんだろうなぁ。

約60年前に生産されたビンテージミシンとオーナーの西脇謙吾さん。「一生ジーパン屋でいたいです。僕の父親もそういう人だったので」。

店内には、そんな先代の写真と思い出も。「ジーンズは履かれる方によって表情がまったく変わるのが魅力です」。

西脇さんオススメの「ご飯処食堂ミサ」の味噌ラーメンを食してから移動です。ちなみに、バカうま&普通盛りでもかなりのボリューム。

移動の写真でお気づきでしたよね? マジで雪なし状態だっただけに、妙高初積雪に感無量。こちらが噂の「ダイナマイトカーニバル」!

会場は「妙高杉ノ原スキー場」。雪質の素晴らしさに定評があり、この日の駐車場には多摩ナンバーも。

ダイナマイトカーニバル昼の部では、特設パークでスノーボードのイベントが始まっとりました。

そして先ほどの感無量な初積雪がなにに積もっていたかといいますと、どんど焼きだったのでした。高さ7メートル以上!

月刊LOGOS編集長になる前は、とびっきりのインドア派だったからでしょうか。人生初どんど焼き体験、楽しみっす。

夜。ゲレンデには、何度も何度もソリ遊びを繰り返すキッズたちの姿も。そして、要チェックなふたつのアイテムがありまして……。

ひとつ目がこちら。特別な許可をいただけたおかげで、冬とたき火が実現しました。アイテムはもちろん「LOGOS KAGARIBI XL」。

そしてもうひとつが、冒頭の写真でおいしくされちゃってたスルメ。どんど焼きで焼いて食べると1年間無病息災でいられるとか。

編集部と書いて好奇心と読むので即GET。GET後、たき火の場所に戻ってみるとなにやら人が集まってるじゃあーりませんか。

FROM山梨県&神奈川県のスノーボーダーでした。スキー場にたき火ってとビックリしつつもあたたまりに来てくれました。

火って人が集まるんだなぁ。なぜLOGOSが、たき火にこだわったギアを開発し続けるのかが実感できました。ん? で、この足跡は?

長野県よりお越しの柴犬のBOBくん(8ヶ月)でした。たき火に集まった方々は「広くて滑りやすい」「雪質最高」とスキー場を絶賛。

おぉ〜、積もった雪だけじゃなくて、降ってる雪も妙高初体験! ダイナマイトカーニバル夜の部、盛り上がってきましたー。

ダイナマイトカーニバル=元々は地元の方だけの小正月の行事だったとか。神事ですので神主さんの祝詞も静粛に。

観光協会会長・鴨井さんの発案で観光客も参加できるようスキー場に会場を移し「ダイナマイトカーニバル」に。今年も外国人参加者多数。

スルメのシュールさがユニークだなぁと内心で思いつつ、本誌編集長ももちろん静粛に参加中。

ユニークなのは、スルメだけじゃありません。どんど焼き着火用の火は、スキー場ならではの「たいまつ滑走」!

いまかいまかと着火されるのを心待ちにしている正月飾りたち。調べてみると、どんど焼きでダルマさんの有無は地域差があるみたいです。

先ほど見事な「たいまつ滑走」を披露してくれた子供たちの手により、いよいよ着火です! 

おおおーーーーーすげぇっす! 調べてみると、どんど焼きという名称も地域差があり、どんどん焼き、とんど焼き、さいと焼きなどあり。

見守る参加者の様子はこんな感じ。地元の消防士さんも来てくれており、安全対策もバッチリでした。

いやぁ、それにしても美しいです。彦摩呂さんだったらこう言うのでしょうか。「どんど焼きはたき火界のホームラン王や!」。

どんど焼きの火が落ち着いたタイミングで待望のスルメTIME! 実際に参加してみると意外と焼き加減が難しかったです。

結果、バッチリ焼けて超美味でございました。そしてスルメ終わりはいい風景が見られるのか。親子であたたまってくれる方も。

いい景色といえば、こちらの写真も大好物です。大人たちは夜のゲレンデを誰も滑っていませんでしたが、子供たちはみんな超元気でした。

そして、ダイナマイトカーニバルを締めくくる大花火大会! 「LOGOS KAGARIBI XL」との奇跡のコラボレーション!

冬の花火も初体験&最高でした。さらに、本誌はメッセージ花火というのも打ち上げてもらうオプションをお願いしておりまして……。

って、この花火じゃないんですけどね。実は、ある勘違いをしでかしたんですが、その内容は本当の写真とともに本文をよろしければぜひ。

妙高の2日目と3日目は、ふたつのKに恵まれた旅となりました。ひとつ目のKは幸運のK。雪不足のため急遽企画した雪上BBQに、ふだんは冬季営業をしていないのにもかかわらず協力してくれたキャンプ場と出会えたのです。ふたつ目のKはラストの取材後記にて、ぜひ。

ジーンズの西脇さんとダイナマイトカーニバルが素敵すぎて、雪不足も気にならず、移動がスムースでいいよねと前向きモードに。

でも、最短コースを選ぶも除雪作業がここまでで行き止まりでした。でもでも、いい顔のお地蔵さんに会えたからOK!

いざ、スノーシュー体験。おいおい紹介していきますが、雪上BBQに協力してくれたのが「Lodge Raven」の清水さん(写真前列右側)。

清水さんは各種アクティビティのガイドもしており、ロッジ近くにある希望湖でのスノーシュー体験となったのです。

当日の参加者は、ロッジの常連さんおふたり(後ろ姿でお名前を紹介するのもなんなんでのちほど)とLOGOSスタッフ2名。

清水さんいわく例年に比べると相当に積雪が少なく、ふだんなら凍った湖面を歩いて渡ることもEnjoyできるのだそう。次回ぜひ!

爽快なスノーシューツアーでおなかが空いたところで、レッツ雪上BBQ大会! しかも今回は参加者の方々がメニュー考案&準備までを。

ありがたすぎて早くも月刊LOGOS大賞受賞内定なのが、北沢麻里子さん(写真左)と豊田美月さん(同右)のおふたり。

手際よく作り始めてくれた1品目が、クラムチャウダーとミネストローネ風スープ。新製品の「プチパン」大活躍中。

そして、チーズフォンデュ。北沢さん(以下、リーダー)はふだんからよくキャンプ&BBQをするそうで、さすがのメニューチョイス。

うまそー! これぞ「寒い季節があたたかい」です。BBQからの参加は、唐澤祈恵さん(写真右から3番目)と宮沢幸祐くん(同2番目)。

本誌編集長・唐澤和也、親戚以外で唐澤姓の方と会うのは、人生初で大興奮。写真は本日のBBQサイトです。

というわけで(スープで)乾杯! 清水さんのアイデアで、ロッジでふだん使いしているテーブルをコーデしてみました。

冬とたき火、やっぱいいっす。チェア2脚には「LOGOS ヒートユニット・背付きクッションシート」が活躍中。

宮沢幸佑くんもピザ作りで大活躍中! さすが元野球部&スポーツ観戦好きでラグビーW杯もルールをゼロから覚えた男!

宮沢ピザ=宮ピ大成功。「LOGOS the KAMADO コンプリート」は一度高温であたためてから焼き始めるのがオススメ。

女子チームは、変顔PHOTOに挑戦中。月刊LOGOS「14歳のピクニック」を見てくれてその中の1枚を気に入ってくれたとのこと。

もうね、いろいろとありがいっす。リーダーは長野県から参戦なのですが「長野で食材を用意するのはTSURUYAがオススメです」。

ん? 長野県情報のお次は大阪グルメの登場。「Lodge Raven」の清水さんの出身はバリバリの関西。新製品の「プチパン」活躍、ふたたび。

手際よくあっと言う間に完成! 敬語の使えない外国の方風に言うと「ウマソウスギルダロ!」。

参加メンバーも大満足。アウトドア通の清水さんも外でタコ焼きを作ったのははじめてだとか。おいしさの秘密は「秘伝のだし」。

「Lodge Raven」オープン前は東京でサラリーマンだった清水さん。Ravenはワタリガラスを意味します。

「Lodge Raven」のコンセプトは「貪欲に生きる人がいる。」。本誌も今回は、冬とたき火に貪欲にこだわってみました。超いい感じ!

写真的には終わりそうなイメージもありましたが、雪上BBQはまだまだ続きます。こちら、リーダー待望の焼きリンゴです。

とはいえ、焼きリンゴ好きなわけではなく、「長野県民としてはリンゴは生で派」。あえて焼くならとシナモンをセンターに。美味!

こちらは編集部がどうしてもやってみたかった「メイプルキャンディ」。イチゴを真ん中にコーディングしてみました!

メイプルシロップをあたためて、雪で固めるだけ。……なのですが、うまく固まらなかったりもしたので、もう少し研究してみます。

LOGOS的雪上BBQ推しアイテムは「グランドフットライト」。放射線状に美しく伸びる光が足元を照らしてくれます。

協力してくださったみなさま、本当にありがとうございました。いやぁ、Enjoyでした。あ、こちらのランタンもオススメです。

さて翌日。妙高3日目は、赤唐辛子が主役でした。妙高地区の地元で採れた赤唐辛子からの選りすぐりをどうするかというと……。

雪の上にまくんです! これぞ、かんずりの雪さらし! かんずり=唐辛子に糀、柚子、食塩を加えた妙高オリジナルの伝統的調味料のこと。

「雪、あるじゃん!」と的確なツッコミを入れてくれた読者のみなさまは、ぜひとも本文をチェックください。

かんずりは3日ほど雪にさらしてから回収。洗浄後、元仕込みという工程で、3年間の熟成発酵期間を経て完成します。

雪さらし終了後、ホットコーヒーをプレゼント。写真左から富井さん、宮アさん、高橋さん、東條昭人社長。お疲れ様でした!

おまけ。今回出会った人々に妙高の魅力を聞くと「山と海があるところ」と教えてもらったので、最後に日本海へ。

旅立ち1週間前ぐらいは、雪不足の報道でドキドキしましたが、今年も「寒い季節があたたかい」ルポ、ミッションコンプリートです。

取材後記
冬とたき火とオリジナリティ。
冬とたき火とオリジナリティ。  冬企画が好きだ。でも、なぜ好きなのかが不思議だ。
 2014年の郡上からはじまり、秋田のかまくら、岩手の雪合戦、群馬県の犬ぞり、津軽のストーブ列車、そして網走のワカサギ釣り。どの旅にもEnjoyな思い出しかないが、今年の旅は、新潟県妙高を目指すこととなる。注目は「1日の降雪量が世界一」を記録したことがある町だということ。1946年の1月17日、わずか1日で210cmもの積雪量を記録している。旅するWEBマガジン=月刊LOGOSで日本各地を旅していると、やたらと「日本一のなんちゃら」という看板を目にして「日本一、ちょっと多くないっすか?」と若干のインフレ感をいただくことがあるが、世界一はすごい。いったいどんな雪景色なのだろう?
 ところが、妙高の地に足をおろした時、思わず一句読んでしまった。
「雪よけの スプリンクラーが 切ないよ」
 この冬、日本全国で話題となった雪不足のせい。というか、雪がない。世界一を記録した日とほぼ同じタイミングの2020年1月18日だというのに、世界記録の210cmマイナス210cm、つまりゼロ。例年ならば駐車場に積もった雪をとかして大活躍しているであろうスプリンクラー的なものから、黒いアスファルトに水がちょろちょろと流れている。ちょろちょろに責任はないけど、ちょっぴり切ない。
 だが、冬企画の醍醐味は、雪だけにあらず。毎年毎回、人との出会いもありがたい。最初に訪ねた妙高人である西脇謙吾さんが教えてくれた。
「昭和51年の豪雪の時は、国道が48時間ストップしたことがあります。完全に陸の孤島状態で、トラックの運転手さんも動けなくなっちゃって、いまでいう民泊状態でした。ふだんなら1m50cmぐらいは積もっているかなぁ。でもね、克雪という言葉があるように、我々にとっての雪は敵でもあるけど、実は、味方でもあるんです」
 西脇さんが雪=味方と語る理由は、フォトリポートで紹介した、世界でも類を見ない独自のジーンズ作りにある。
 雪解け水が伏流水となる。伏流水が溜まった井戸の水は通常の約7倍の鉄分が含まれていた。父親の家業がジーンズショップで子供の頃からジーンズに囲まれていた西脇さんは思いつく。薬品を使って風合いをだすブランドもあるが、約7倍もの鉄分がジーンズの藍と絶妙な化学反応をみせるのではないか。そうひらめいた西脇さんは、さらに「!」なアイデアが浮かぶ。
「ユネスコの無形文化遺産にもなった新潟県小千谷市の小千谷縮がヒントになりました。小千谷縮は織物を雪の上にさらすことで生地が漂白されて独自の風合いを生みだすんですね。だったら、ジーンズにも効果がないわけがない。それでほら、ふだんなら1m50cmも雪が積もるので、ジーンズの雪さらしを始めたんです。最初はいろいろ言われました。バカじゃねーかと(笑)」
 一部の人から笑われようと、西脇さんは自分の直感と、いままで培ってきたジーンズに関する独自のノウハウを信じた。結果、西脇さんのジーンズは、妙高はもちろん、日本中にファンを獲得する。

迷走? メッセージ打ち上げ花火秘話。
かくして、LOGOSカラーの花火が夜空に咲いた。
迷走? メッセージ打ち上げ花火秘話。<BR>
かくして、LOGOSカラーの花火が夜空に咲いた。  残念ながら西脇さんのジーンズの雪さらしは見れなかったけれど、我々には切り札があった。この切り札、名前からしてすごい。「ダイナマイトカーニバル」。ダイナマイトでカーニバルなのがすごい。元々は地元住民だけの小正月行事を観光客にも楽しんでもらおうと、会場を移して観光協会が主催している。この会場のチョイスがいい。「妙高杉ノ原スキー場」。スキーは数回程度の経験しかなくミスターボーゲンの我が身だけれど、スキー場というのがいい。なんたって、雪がある。だからこその切り札だった。
 はたして、妙高杉ノ原スキー場は麗しの銀世界だった。
「ありがとう 嗚呼ありがとう ありがとう」
 誰に感謝してんだか意味がわからないし、句にもなっていないが、心のなかでつぶやかずにいられない。
 ダイナマイトカーニバルの昼の部は、スキー場の一部を貸し切ってのスノボのイベントで盛り上がっていた。おしるこ、ラーメン、たこ焼きにうますぎ焼き(妙高で超メジャーな香辛料“かんずり”が入っている)などの屋台も出店していて活気がある。
 もちろん、イベント参加者ではなく、ふつうにスキーやスノボを楽しんでいる人も多かった。利用客に聞いてみると「妙高杉ノ原スキー場」は、とにかく雪質がいいらしい。駐車場には、東京の多摩ナンバー、神戸や名古屋ナンバーもあり、全国からこの雪を目当てに滑りに来ているご様子。そんなスキー&スノボ客がEnjoy Outing!終わりでダイナマイトカーニバルに参加している。外国人観光客の姿も目立つ。
 圧巻は、夜の部のどんど焼きと大花火大会だった。
 まずは、どんど焼き。神事なので神主さんの祈祷後、だるまやしめ縄などをガンガンに焼いていくのだけれど、ぐるぐると竜巻のように火が昇っていく。冬とたき火というタイトルにちなむなら、どんど焼きは、たき火界の4番打者的風格だった。
 意外だったのが、スルメ。妙高オリジナルの風習だそうで、どんど焼の火が収まったところで、長めの竹の先につけたスルメを焼いて食べると、この1年間無病息災なのだという。この行事にもたくさんの外国人観光客が参加していて、我々ももちろん長めの竹にスルメをぶら下げて参加した。僕がスルメを焼いていた左横からは英語で話す親子の会話が耳に届き、右からは中国語で楽しげなカップルの言葉が届いていた。ダイナマイトなカーニバルはワールドワイドでもあった。
 そして、大花火大会。
 夜の闇の色と雪の白い色を空から花火が照らす。しかも、特別な許可を得てLOGOS KAGARIBIというたき火台をスキー場に置かせてもらえたものだから、たき火越しの花火というオリジナル感がハンパない。
 オリジナルといえば、ダイナマイトカーニバルでは、希望者のオリジナルメッセージ付き花火というのを8000円から受けつけている。ナレーションのあとで花火が打ち上げられるというものなのだが、なぜだか我々は“メッセージ”の意味を勘違いしてしまう。文字化したメッセージを花火にして打ち上げてもらえると思い込み「ENJOYという文字だとどうですかね?」などと担当者の方と相談していた。担当の人は<そっちのメッセージじゃないですから!>と即断ってもいいはずなのに、わざわざ花火師さんにかけあってくれ、さすがに今回は準備の時間が足りないのであきらめましょうとなる。
 でも、観光協会と花火師の方は、最後までやさしかった。ENJOY の文字花火のやりとりの際にLOGOSのイメージカラーが緑であることを覚えていてくれ、わざわざ緑色の花火を用意してくれたのだ。
 当日。本当の意味でのメッセージ=アナウンスが、夜の会場に響く。
「みなさーん、アウトドアブランドのLOGOSをご存知ですか? 今回、月刊LOGOSというWEBマガジンの取材でお邪魔しております。皆様のご多幸を願いまして、LOGOSのイメージカラーの花火を打ち上げさせていただきます。もし、よかったらLOGOSの合言葉“Enjoy!”とご唱和ください。では、いきまーす。Enjoy!」
 そして、打ち上げられた緑色の花火。会場のあちこちから「Enjoy!」の声が聞こえる。もう1発、緑色の花火が打ち上がった時、残っていたスルメを握りしめるように、右手で小さくガッツポーズをした。

かんずり雪さらしの裏側にKありき。
気合い、あるいは、根性のKでした。
かんずり雪さらしの裏側にKありき。<BR>
気合い、あるいは、根性のKでした。  妙高3日目は、雪が舞う白銀の世界に、大ぶりな赤い唐辛子が降っていた。
 かんずりの雪さらしである。白い世界と赤のコントラストが美しい。
 かんずりとは、唐辛子に糀、柚子、食塩を加えた妙高オリジナルの伝統的調味料のこと。ダイナマイトカーニバルでも、うますぎ焼きに入っていたし、立ち寄ったラーメン屋さんにも当たり前のように置いてあった。
 実はこのかんずりが誕生したのは「偶然」だったそうだ。有限会社かんずりの東條昭人社長が教えてくれた。
「このあたりの農家さんって、唐辛子をいろいろな料理に使うので、軒下で乾燥させておくんですね。冬場でもそうしておくんですけど、ある風の日に雪の上にぽろっと落ちたのを知らないでいて、さらに雪が降ったもんだから何日か出てこなかった。それをうちの祖父……初代社長なんですけど、数日後の晴れた日に雪が溶けてその唐辛子を見つけてかじってみたら苦味がなくてすごくおいしかったらしいんです。これはいけると。それで、かんずりの雪さらしが始まって、以来ずっと大寒の日にその年はじめての雪さらしを続けているんです。3年前が50周年でした」
 東條さんの話を聞いていて、腑に落ちることがあった。
 実は、雪不足のせいで今年の雪さらしは中止になるかもしれなかったのだ。でも、東條さんとスタッフはあきらめなかった。いつもの会場から少しでも雪の可能性を求めて高度を上げていき、最終的に協力をお願いしたのが「ロッテアライリゾート」というスキー場。ゴンドラに15分揺られてまで雪さらしにこだわったのは、祖父の代から50年以上も続く大寒の日の雪さらしを途絶えさせたくなかったのだろう。妙高のふたつのKのうちのひとつは、気合い、もしくは、根性のKだった。

 旅を終えて東京で原稿を書いているいま、オリジナリティってなんだろうと考えている。
 世界でひとつしかないジーンズを作っている西脇さんは「たとえば渋谷区神宮前では思いつかなかったアイデアでした。妙高だからこそのジーンズだと思います」と笑った。同じく妙高だからこそでありながらも、かんずりの東條さんは「実は、初代、2代目、3代目と時代にあわせて微妙に味を変えているんです」と伝統を守って古くからのファンを大切にしつつ、時代にあわせる挑戦もしていることを教えてくれた。
 そして、ダイナマイトカーニバル。主催する杉ノ原観光協会会長の鴨井さんには、スキー場で火を使えるように手配してもらったりと、お世話になりっぱなしだったのだけれど、あのオリジナリティあふれるイベント名の由来をこんなふうに話してくれた。
「杉ノ原スキー場はずっと赤字が続いていたんです。落ちるだけ落ちていたんで、爆発力がほしくて、だからダイナマイトだったんですよ(笑)。そもそも元々は地元のお祭りでしたからね。それをスキー場に会場を変えて、おまけに名前もダイナマイトでしょ? 変えた頃は“お前はなにをやってるんだ”とか、めちゃくちゃ言われました。でも、3年前からスキー場が黒字になったら、誰にもなにも言われなくなって。それで思ったのは、我慢なんてしなくていいんだなぁということ。雪深い地方で育つと我慢強くなる。それって美徳でもあるんだけど、新しいことを考えなくなる危険性もあると思うんです。だから、我慢なんてせずにまずやろうよと。やって試してダメなら引き返せばいいんだから」
 冬企画が好きだ。
 なぜ、かくも好きなのかはいまも不思議だけど、毎年毎回、THE オリジナルな人たちと出会えることは、冬企画好きのかなり大きな理由だと思う。


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